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企業合併で経営基盤の強化 平成18年12月地元建設業者3社で合併
(株)コンドウ (島根県 安来市)
代表取締役社長 北 川 謙 介
<合併の背景>
公共事業削減の影響を受け、建設業を取り巻く情勢には非常に厳しいものを感じていた。また、平成16年に市町村合併が行われ市場環境も大きく変化して行くことが予想される。
小売業やサービス業とは違い、公共工事に依存する業界事情を考えると、このまま単独での経営の維持が厳しい時代が到来しており、企業体力のあるうちに経営基盤の強化と再編が必要であると考え、平成17年秋ごろ、近隣の企業に話を持ちかけた。
<合併へ向けた取り組み>
旧広瀬町内の建設業3社で合併を行った。公共工事元請で土木工事主体の2社と型枠の下請工事主体の1社での合併である。
いずれも過去からの付き合いがあり、社長同士も親しかった。また、3人の社長の共通点として、「若い時に社長に就任、年齢50歳未満、創業社長ではない」といった点があった。
合併に取り組むにあたり、知識や情報もあまり無かったので、まず、勉強会からスタートした。コーディネート役が必要と考え、商工会連合会の建設産業総合相談窓口に相談し専門家(公認会計士)の紹介を受け、金融機関の参加も得て検討を行った。一方、合併に携わった経験のある税理士等にも相談しながら準備を進め、平成18年5月に合併を決定し、12月に合併した。
また、型枠工事で高い技術力を保有していたことから、この技術力と営業力をさらに伸ばすために、合併後に、型枠および下請工事については当社100%出資の子会社に分割した。
<合併の効果と今後の抱負>
今回の合併の目的として、「管理費等固定費の削減、資産の共有・整理(売却)、これまでの実績や得意分野など各社の長所を活かす、会社経営の視野を広げ環境の変化に対応できる会社を築く」といったことを考えた。
社員のリストラは行っていないが、経営の一本化による経費の削減や、取引先の競争による現場コストの低減、重機や不動産等の資産の有効活用など目に見えて効果があがっている。また、各社の技術力や顧客、取引先、情報が共有できることの意義も大きいと考えている。
まだまだ評価ができる段階ではないが、これから2~3年かけて完全に新しい会社に生まれ変わり、長い目で見て「合併して良かった」と思える会社にして行きたい。
<活用した支援策>
建設産業総合相談窓口の専門家派遣により合併準備の支援を受けた。また、合併後、県の入札参加優遇措置などの支援を受けている。